2019年7月26日

 拓殖大学硬式野球部の歴史は古く、1920年(大正9年)に創部。1949年(昭和24年)に“東都大学野球連盟”に準加盟をする。1953年(昭和28年)に一度脱退をし、準硬式野球部になった時代もあったが、1963年(昭和38年)に再度“東都大学野球連盟”の準加盟をする。1年後には準加盟が無くなったことにより、4部からのスタートとなった。その後は、1967年(昭和42年)春3部優勝、秋2部昇格と順調に階段を駆け上がり、迎えた1987年(昭和62年)の秋に2部で初優勝を果たす。(※入替戦:対中央大学1勝2敗により2部残留)

 

 そこから2部3部を行き来する時代もあったが、2006年(平成18年)に現在の監督である、内田俊雄氏が就任。内田監督が就任後は1年で2部に昇格。その後も、さらに力を付け、2013年(平成25年)春に2部優勝を果たすと、専修大学との入替戦で2勝1敗と勝ち越し、創部93年目にして悲願であった1部へ初昇格を果たす。そして、同年の秋には3位という最高成績を収めた。しかし、2015年(平成27年)の春に2部降格をしてしまう。現在は2部上位の常連であり、虎視眈々と1部昇格を狙う。また、来年は創部100周年を迎えるため、是が非でも1部昇格を果たし、そして悲願でもある1部初優勝を目指している。

 

 

【内田 俊雄監督インタビュー】

 

≪計算外から始まった春季リーグ戦≫

 迎えた春季リーグ戦、計算外から始まった。エースである佐田投手の調子が上がらず、開幕してから二カードを落としてしまう。野球選手に限らず、五体満足でプレーをしている選手は少ないが、佐田投手も故障を抱えてのシーズンであった。しかし、追い込むほどの練習ができない状態であるにもかかわらず、春のオープン戦では結果を残す。オープン戦では1点も取られず、監督も本人も不安がある中でも結果が出ていたので、慢心があったわけではないが、リーグ戦でもやれるだろうという期待はあった。しかし、リーグ戦に入るとオープン戦のような結果が出なく、「力みや焦りからなのか本来の投球ができなくなってしまっていた」と内田監督は語った。

 

 そこからは手探りの状態となってしまったが、なんとか立て直し、最終的には7勝6敗の4位という結果で春季リーグ戦を終えた。監督はもちろん、コーチ・選手、誰もがこの結果に納得はしていなく、内田監督はこう語った。「結果として、残念なシーズンとなってしまった」

 

 現在のメンバーは4年生が少ない。しかし、上級生の力は絶対的に必要である。もちろん、上級生だけの力でも勝てないし、一人力がある選手がいるだけでも勝てないが、秋のキーマンとして、“佐々木翼”選手の名が挙がった。「皆の力が必要なので、一人に頼ることは無いです。ただ、佐々木は技術的に壁にぶつかっていた時期もあったが、最上級生になりもっとやってくれるだろうと期待をしている」と期待を込めて語った。

 

≪第二、第三の投手育成を≫

 現在は秋に向けてチームとして、また個人としてそれぞれの課題に対し取り組んでいるが、チームとしての課題を次のように明かした。「まずは、第二、第三の投手を作ることかなと。一昔前は三連投するような投手も各大学にはいましたが、今は一人で戦える時代ではないと思っています。一人で1試合投げきることができないまでも、二人でも三人でもいいので、試合で計算できる投手を作らないといけないし、出てきてくれることを期待しています」また、「年々オフの練習の難しさも感じています。まず皆が揃うことが少なく、バラバラでの練習も多いのが現状です。東都の試合は平日ですし、ワンシーズン二ヶ月間、試合数も最低でも10試合あるのでしょうがない部分もあるのですが、試合の応援に来られない選手もいます。このような状況の中で、チーム力を上げていく事も課題であると感じています」と語った。

 

 一昔前であれば、朝から晩まで野球漬けという時代もあったかもしれないが、今は下級生のうちから十分に練習ができない環境にあるという。学生である以上は学業を疎かにしてまで野球をしろとは思っていない。しかし、特に1・2年生は授業がある日だと夕方以降からの練習となってしまう。上級生と一緒に練習をすることによってアドバイスをもらうこともできるし、時として怒られることもあるかもしれないが、得られるものも多い中、全員が揃って練習できるのは学校の長期休暇中くらいであり、個々の力やチーム力を上げる難しさを感じている。

 

≪時代の変化≫

 選手の気質も一昔前とは変わってきたかもしれないし、世間では愛情を持って選手と接したとしても、時と場合によっては体罰と受け取られることも多くなってきた時代。しかし、選手との関わりや接し方、指導方法は大きく変わっていないという。「確かに、逃げる立場になったときに言い訳が多かったり、諦めが早くなったと感じたりすることもあります。ただ、頑張る選手は最後まで諦めず頑張りますし、そういった部分は昔と今でも全然変わっていないと思っているので、選手との接し方に大きな変化はないですね」と語った。

 

 もちろん、諦めが早いということに理解を示す部分もある。例えば、野球を早い段階で見切りをつける選手も増えてきたという。野球を最後までやっていれば就職ができる時代ではない。社会人野球もチームが減少し厳しい情勢であり、また、野球部だからといって誰でも採用されるわでもない。確かに日本でも“独立リーグ”ができ、卒業後も野球を続ける選択肢は増えたかもしれないが安定があるわけでもない。卒業後を考えた時に就職を意識した場合、早くに野球に見切りをつけるのも致し方ないことだと思っているし、就職活動を終えると練習のサポートをしてくれるので、メリハリをもって活動している選手も多いという。

 

≪守りは計算できる≫

 内田監督の目指している野球、また勝つ上で何が必要なのかを問いかけてみると、「特にこういった野球を目指しているという具体的なものはないです。ただ、試合を勝つ上で計算できるのが守りであると思っています。練習で努力をして結果が出やすい分野は守りだし、だからこそ、どの監督もそこに力を注いでいるのではないか。あとは積極的に打っていけということでしょう」と語った。

 

 “打線は水物”という言葉がある通り、良い投手と対戦した時に多くの点を取ることは難しい。いかに最少失点で抑えられるか、少ないチャンスをものにできるか、によって勝つことを目指している。

 

 しかし、現在の高校野球は“打てないと勝てない”という考えがセオリーになりつつあるという。もちろんバットが金属と木製の違いはあるし、打撃も努力すれば結果が出ないわけではない。ただ、練習の大半をバッティングに割く高校も多くある中で、大学に来て守備練習ばかりやることに戸惑う1年生も多く、守備練習の大切さを教える難しさも感じている。

 

≪素直・謙虚・前向き≫

 伸びる選手の要素も聞いてみたら、すぐに答えが返ってきた。「素直さ、謙虚さ、前向きな選手でしょう。こういった選手は上達も早い。上手くいかない時に言い訳ばかりする選手は前に進めないし、そういった状態、状況の時に真剣に考え、受け止め、受け入れられる選手は伸びますね」

 

≪チームの醸成≫

 最後の雑談の中で内田監督が再度語り出したのが上級生と下級生の関係性だ。「先ほども言いましたが、バラバラで練習をしていることに危機感を感じています。良い意味での上下関係であり、またライバル関係であり、そういった関係性を醸成していってもらいたい。他人行儀な感じを見て取れるので、注意したり、アドバイスしたり、アドバイスを求めたりと、そういったチーム作りをしていきたい。また、そういうチームでないと勝てないし、1部でも戦っていけないと思っています」と語った。

 

 人間関係が希薄になりつつある現代、チーム内においてもそのような部分を感じるという。技術的な向上はもちろんであるが、切磋琢磨し合うチーム作りを課題とし、また、そういった環境になることによりチームとしてワンランク上へいけると信じている。

 

 秋季リーグ戦までの時間は短い。短い時間の中でも“チーム”というものを作り上げないといけない。

 

 

 

【主将・選手・学生コーチ・主務インタビュー】

 

【上段:左から:松尾主務/佐田選手/大北選手/堀内選手/佐々木選手

 下段:左から:金津選手/藤家主将/野村選手/松原学生コーチ】

 

【主将:藤家 輝(ふじいえ あきら)選手:4年/ポジション:内野手/右投右打

出身:群馬県

出身校:関東学園大学付属高校

憧れ・好きなプロ野球選手:村田 修一氏(読売ジャイアンツ コーチ)

 

≪いつから野球を始めましたか?きっかけは何ですか?≫

 二つ上に兄がいて、兄の野球を観に行ったのがきっかけです。小学校2年生の時に野球を始めましたが、最初は正直嫌いでしたね…(笑)小学校・中学校と練習が結構きつくて、あまり野球を楽しくやったことが無いですし、楽しいというよりも先に厳しいがきてました。(笑)

 

≪村田コーチのどんなところが好きですか?≫

 村田さんの豪快なホームランなどが好きで、小学校の時とかバッティングの真似をしていました。最初は、小学生の時に父から『ホームランを打てるようになれ!』と言われていて、強引に動画などを見せられていたのですが、気づけば自ら動画を見るようになっていました。

 

≪『自分のどんなところが評価されて主将になったのか』、ご自身ではどのように思いますか?≫

 去年のキャプテンであった朝田さんが、周りをみて何でも指示できるキャプテンだったからこそ、周りが朝田さん一人に頼りすぎていた部分があり、そこが『去年のチームの反省点だった。』と監督さんはお話しされていました。

 

 逆に僕は2年生の時に1回しかベンチに入ったことがないような選手だったので、試合や練習などの流れとか正直なにも分からない状況でした。ただ、周りは経験のあるメンバーで固めてもらっていますので、一人に頼らないチーム作りをする上で、メンバーに入れない選手の気持ちも分かるような僕が選ばれたのかなと、自分なりに思っています。

 

 今も僕はレギュラーではないのですが、そのような人間がレギュラーの後輩たちには言いにくいところもあり、自分自身もそこの難しさは感じています。ただ、いい意味で自分を棚に上げ、選手に指示するよう練習中から意識をして取り組んでいますし、そういったリーダーシップが発揮できるようなキャプテンを理想像としています。

 

≪チームの魅力はどんなところですか?≫

 東都リーグの他のチームと比べても、泥臭いプレーや、きびきびとした攻守交代など、大学生になったら忘れがちなところも、しっかりと徹底しているところだと思います。それは、監督さんの教えであり、チームとして徹底しているので必然的に選手たちも意識して行動しています。

 

≪春季リーグ戦を振り返ってどうですか?≫

 今年のメンバーは、昨年と結構変わっていて、オープン戦の開幕前は不安も大きかったのですが、オープン戦では、強豪チームに勝つこともできていたので、試合を重ねるたびに自信はついていきました。

 

 しかし、自信を持って臨んだ春ですが、開幕から二カードを落としてしまい、経験が無いメンバーが多いこともあってか、例年以上に焦ってしまっていたと思います。佐田の調子が良くない中、違うピッチャーも出てきたりして何とか立て直しましたが、結果として開幕から良い流れに乗れなかったのが全てだと思います。

 

≪秋に向けての課題は?≫

 個人としては、秋も代打としての場面も多くなってくると思いますが、いかに集中して1打席1打席入れるか、また、ピッチャーの特徴とかを前半から集中して見られるので、いい場面でしっかりと打てるように頑張ります。チームとしては、後半は勝てるチームなので、開幕カードからしっかりと勝って優勝します。

 

≪目標の選手や、今までの監督や先輩などで影響を受けた人は?≫

 内田監督と、ボーイズ時代の監督です。内田監督は妥協を許さない監督さんで、僕自身に大きな影響を与えてくれました。また、中学時代、ボーイズの監督さんから、『野球バカになるな』『野球だけが1番ではなくて、学業もしっかり専念し、将来野球が続けられなくなっても、様々な道を広げられるように』と言われていました。周りの同級生は、“プロ野球選手になりたい”という夢があり、野球に集中する方も多くいましたが、僕は勉強もしっかりと力を入れてきました。

 

≪秋に向けての意気込みを!≫

 今の3年生はすごい力があるので、ラストシーズン、2部優勝をし、入替戦に勝ち1部に昇格して、後輩たちには全国大会という大きな舞台で戦ってもらいたいです。その為にも、秋季リーグ戦、頑張ります。

 

 

 

【佐田 涼介(さだ りょうすけ)選手:4年/ポジション:投手/右投右打

出身:高知県

出身校:明徳義塾高校

憧れ・好きなプロ野球選手:今永 昇太選手(横浜DeNAベイスターズ)

 

【左:金津選手/右:佐田選手】

≪いつから野球を始めましたか?きっかけは何ですか?≫

 おじいちゃんが野球経験者で、その影響を受けて小学校3年生から始めました。実際に野球を始めて、今まで1度も野球を嫌いと思ったことがなく好きで続けているので、野球を始めてよかったと思います。

 

≪今永選手のどんなところが好きですか?≫

 フォームのしなやかさや、真っ直ぐの切れなど、プロ野球選手では投手では一番好きですし、参考にしている部分もあります。

 

≪春季リーグ戦を振り返ってどうですか?≫

 思うような結果が出なく、ずっと悩んだ状態のシーズンでした。オープン戦が良い状態だったので自信はあったのですが、そのピッチングが出来なくチームに迷惑をかけてしまったと思います。

 

≪秋に向けての課題は?≫

 春は途中から登板することが多く、ランナーがいる状況で抑えきれなかったので、秋はランナーがいる場面でも、自分の投球をして抑えていくことを課題としています。

 

≪目標の選手や、今までの監督や先輩などで影響を受けた人は?≫

 少年野球時代の監督さんの教えが、今の自分の軸となっています。技術的な教えはもちろんですが、人間的に大きく成長させてくれました。今も帰るとチームに顔を出し練習の手伝いをしています。

 

≪秋に向けての意気込みを!≫

 春は自分の情けないピッチングのせいでチームに迷惑をかけてしまったので、秋は自分本来のピッチングをして勝ちに貢献し優勝したいと思います。

 

 

 

【金津 知泰(かなつ ともやす)選手:3年/ポジション:投手/右投右打

出身:大阪府

出身校:明徳義塾高校

憧れ・好きなプロ野球選手:東浜 巨選手(福岡ソフトバンクホークス)

 

≪いつから野球を始めましたか?きっかけは何ですか?≫

 4歳くらいからずっと家で壁当てをしていて、それがきっかけで野球を始めました。失敗しても練習すればできるようになったりして、努力すれば結果が出る野球を楽しくやってきています。

 

≪東浜選手のどんなところが好きですか?≫

 変化球など自分と同じような球種があるので、よく参考にしています。

 

≪春季リーグ戦を振り返ってどうですか?≫

 初戦は良かったのですが、次の青山学院戦で思うようなピッチングが出来なく、そこで違った結果になっていればチームも優勝できたかもしれないので、後悔をしています。

 

≪秋に向けての課題は?≫

 個人としてはいっぱいあるのですが、投手陣全体でいうと、防御率が3点台だったと思うので、もう一本抑えていれば勝てたという試合も多く、粘りの投球ができるようにキャンプから意識して取り組んでいきたいと思っています。

 

≪目標の選手や、今までの監督や先輩などで影響を受けた人は?≫

 高校の監督さんです。小中学校と弱いチームだったのですが、高校の監督さんは勝ちへの執念が強く、自分の負けず嫌いな性格にも影響を与えてくれたと思っています。

 

≪秋に向けの意気込みを!≫

 秋は一戦一戦集中して戦い、少しでもチームに貢献できるよう頑張ります。

 

 

【佐々木 翼(ささき つばさ)選手:4年/ポジション:外野手/左投左打

出身:東京都

出身校:八王子学園八王子高校

憧れ・好きなプロ野球選手:丸 佳浩選手(読売ジャイアンツ)

 

【左:大北選手/中央:野村選手/右:佐々木選手】

≪いつから野球を始めましたか?きっかけは何ですか?≫

 野球を始めたのは5歳の時です。きっかけは、プロ野球を観るのが好きで、初めは遊びでやっていたのですが、親に少年野球チームの体験に連れて行ってもらい、そこから本格的に始めました。ジャイアンツが好きで、当時はペタジーニ選手が活躍していて、すごいなと思いながら見ていました。

 

≪丸選手のどんなところが好きですか?≫

 広角に長打も打て、打率も残せるバッターで尊敬しており、丸選手の打ち方を意識しています。

 

≪春季リーグ戦を振り返ってどうですか?≫

 一つ上の選手が多く抜けて不安を持ちながらのリーグ戦だったのですが、いざ戦ってみると3年生たちも結果を残していましたし、チームとしての結果は良くはなかったのですが、手応えとしては、自分が思った以上のものはありました。

 

≪秋に向けての課題は?≫

 チームとしてはラストシーズンなので、春以上に4年生たちがチームを引っ張っていかなければならないと思います。個人としては、春、チャンスを多く作れなかったので、チャンスを作るバッターとして、チームの中で誰よりも1番多く出塁します。

 

≪目標の選手や、今までの監督や先輩などで影響を受けた人は?≫

 小学校の時に出会ったコーチです。僕が小学生から高校生の時まで、ずっと同じチームでコーチとして指導をしてくださりました。僕がしんどい時も近くで支えてくださり、頑張ることができましたし、そのコーチのおかげで今も野球を続けることができているので、これからも頑張ります。

 

≪秋に向けての意気込みを!≫

 今まで満足した結果でリーグ戦を終えたことが1回もなく、大学ラストシーズンは、チーム全員が同じ方向を向いて、“チーム全体で勝った”という試合を多く残し、最後は“優勝”という形で終わりたいので、そのためにも頑張ります。

 

 

 

【野村 工(のむら たくみ)選手:3年/ポジション:外野手/右投右打

出身:兵庫県

出身校:日本航空石川高校

憧れ・好きなプロ野球選手:森 友哉選手(西武ライオンズ)

 

≪いつから野球を始めましたか?きっかけは何ですか?≫

 小学校1年生から始めました。きっかけは、兄がいるのですが、兄が野球をしていた影響で自分も始めたことです。大学も同じチームでやっていたのですが、間近で結果を残していた姿を見て、自分もモチベーションが上がりましたし、野球以外の事も相談していたので、良い関係で野球をすることができたと思います。

 

≪森選手のどんなところが好きですか?≫

 幼いころから西武ライオンズファンで応援しており、その中でも森選手は打率が高く、どこにでもホームランを打てるバッターなので、とてもかっこいいなと思っています。

 

≪春季リーグ戦を振り返ってどうですか?≫

 今までは出場機会も少なく結果も残せていなかったのですが、春は、初めてリーグ戦を全試合出ることができ、途中からリーグ戦にも慣れてきましたし、結果も残すことができたので、自信につながったシーズンでした。

 

≪秋に向けての課題は?≫

 打撃で好不調の波が激しいので、調子が悪い中でも、三振だけはせず相手のピッチャーが嫌に思うようなバッティングをすることを意識して打席に立つことです。また、ベンチの中だけではなく、普段の練習から3年生として下級生を引っ張りつつ、4年生の先輩たちに付いていけるように頑張ります。

 

≪目標の選手や、今までの監督や先輩などで影響を受けた人は?≫

 一番影響を受けたのは兄の存在です。野球を始めたきっかけも兄で、兄とは小学生以来に大学で一緒に同じチームでプレーをしていました。兄が4年生の春に出した成績が3割5分、本塁打3本の9盗塁なので、“卒業までに兄の記録を超えたい”という気持ちで、日々の練習に励んでいます。

 

≪秋に向けての意気込みを!≫

 春はクリーンナップを打っていました。秋はまだ分からないですが、春の試合経験を活かして、4年生と一緒に神宮球場で入替戦をし、“1部昇格”をします。そして、4年生の春は1部でスタートできるように頑張ります。

 

 

【大北 海斗(おおきた かいと)選手:3年/ポジション:内野手/右投右打

出身:愛媛県

出身校:明徳義塾高校

憧れ・好きなプロ野球選手:浅村 栄斗選手(東北楽天ゴールデンイーグルス)

 

≪いつから野球を始めましたか?きっかけは何ですか?≫

 本格的にチームに入り始めたのは、小学校3年生からです。きっかけは、おじいちゃんが野球好きで、テレビ中継を一緒に見たり、キャッチボールをしたりするようになったことです。

 

≪浅村選手のどんなところが好きですか?≫

 守備が凄いだけではなく、長打も多く打ち、打率も高く残している浅村選手は、僕が目指している選手です。

 

≪春季リーグ戦を振り返ってどうですか?≫

 去年は下級生だったので先輩に引っ張ってもらっていたのですが、上級生となりピンチで声を掛けるなど意識はしていました。ただ、もっとチーム全体を引っ張れたのではないかと思っています。また、個人的には、リーグ戦の終盤は疲れが抜けず結果が出ない試合が多かったので、リーグ戦を最後まで戦える体力作りが秋までの課題です。

 

≪秋に向けての課題は?≫

 チームとしては、監督さんから、『バントや走塁をしっかり徹底しよう!』と言われていて、その言葉をしっかりと定着させ打席に立ちたいです。個人としては、先程も言った体力作りもそうですが、チャンスの場面や与えられたところで、監督さんの期待に応えられるようなプレーをしっかりとしていくことです。

 

≪目標の選手や、今までの監督や先輩などで影響を受けた人は?≫

 高校の監督です。高校時代、馬淵監督から教えてもらっていたことが、当時の自分には分からなかったのですが、今になってお話ししてくれていた意味が理解できるようになり、改めて“凄い監督さんだ!”と実感しています。馬淵監督に教えて頂いた、試合への入り方や試合前の調整の仕方は現在でも続けています。

 

≪秋に向けての意気込みを!≫

 個人としては、大学卒業後も野球を続けるためにも大事なシーズンですが、チームの勝利を一番に考え、チームが勝てるように貢献したいと思います。

 

 

【堀内 卓哉(ほりうち たくや)選手:3年/ポジション:捕手/右投右打

出身:富山県

出身校:高岡商業高校

憧れ・好きなプロ野球選手:小林 誠司選手(読売ジャイアンツ)

 

≪いつから野球を始めましたか?きっかけは何ですか?≫

 チームに入って野球を始めたのは、小学校3年生からです。きっかけは、小学生に上がる前からプロ野球のテレビ中継を見ていたのと、父とキャッチボールを始めたことです。テレビ中継を見始めたころは、選手の名前は分からなかったのですが、単純にかっこいいなと思い、自分もやりたいと思いました。

 

≪小林選手のどんなところが好きですか?≫

 まずジャイアンツが好きなこともあるのですが、守備が好きです。バッティングも打てないとよく言われてはいますが、そんなこともないと思っていて、WBCやオールスターなど大きな舞台で打っていますし、意外性もありチャンスに強い小林選手が好きです。

 

≪春季リーグ戦を振り返ってどうですか?≫

 今までよりはスタメンで起用されることが多く、経験を積むことができたシーズンでした。守備の面でいえば、失点も多くはなかったですし、盗塁も5回中4回はアウトにできたと思いますので、手応えはありましたし、やれるという自信がついたシーズンでした。しかし、バッティングではヒットが一本しか打てなく、悔しい思いをしました。

 

≪秋に向けての課題は?≫

 先ほども言いましたが、ヒットが一本しか打てなかったので、バッティング面でも結果を残せるよう、今取り組んでいます。また、捕手という立場から見た時に、もちろん監督に求められている野球もそうですし、配球の大切さなど勝っていくうえで必要なことはたくさんあるのですが、試合でプレーするのは自分たちなので、ただ言われたことをやるのではなく、試合の中で臨機応変に考えたプレーが出来れば、順位も上を狙える位置までいけると思っています。

 

≪目標の選手や、今までの監督や先輩などで影響を受けた人は?≫

 高校時代の監督と内田監督です。高校時代に怒られることも多かったのですが、私生活であったり、挨拶であったり、野球のプレー以外の事が多かったです。当時は、何でこんなことで怒られるのだろうと思うことも多かったのですが、内田監督からも同じようなことを言われているので、今になって理解できるようになりましたし、野球以外で大きく成長させてくれた監督です。

 

≪秋に向けての意気込みを!≫

 個人的には、自分の力でスタメンを勝ち取ったわけではなく、チャンスをもらい出させてもらったと思っているので、秋は、バッティングも守備も全ての面でチームの中心となっていきたいです。特に秋は、3年生以下が中心となると思いますが、自分が中心となって一試合でも多く勝ち、2部優勝、そして1部昇格できるように頑張っていきます。

 

 

 

【松原 領汰(まつばら りょうた)学生コーチ:4年

出身:大阪府

出身校:松商学園高校

憧れ・好きなプロ野球選手:金本 知憲氏(元阪神タイガース監督)

 

≪いつから野球を始めましたか?きっかけは何ですか?≫

 年中からリトルリーグに参加をしていたのですが、本格的には小学校2年生から始めました。きっかけは、父が野球をやっていたこともあり、自然と野球をやるようになりました。

 

≪金本元選手のどんなところが好きですか?≫

 出身が大阪なので阪神タイガースの試合をよく観戦していたのですが、金本さんが現役でバリバリやっていた時でした。その中で印象に残っているのが、骨折をしながらも試合に出て活躍している姿が印象的でした。

 

≪学生コーチのやりがいや難しさは?≫

 去年は試合に出ている立場でしたので、何をしなければ試合に出場し、また勝つことができないのか、その時の経験を選手に伝えています。選手の時はそういったことを監督さんに言われても理解できなかったのですが、今の立場になってやっと理解できるようになりました。ただ、選手に徹底させる難しさを感じています。

 

 今は選手をサポートする立場とはなりましたが、何とかチームを勝たせていきたいと思っています。

 

≪春の反省点と、秋に向けて何を意識していますか?≫

 春のリーグ戦、初めの二カードは自分たちで崩れてしまったので、自滅することが無いような試合をすることです。また、監督さんは野球以外のお話しもよくされるのですが、監督さんの言っていることを選手全員が徹底して実践していけば結果はついてくると思っています。

 

≪目標とする方はいますか?≫

 内田監督ですね。今は寮長も任せてもらっているのですが、いろんな立場や経験をさせて頂き、4年間で大きく成長できたと思います。監督さんがよくお話をされる“※心塵払拭”という言葉を大切にしています。

 

※心塵払拭…“清掃能力を高めよう”という意味合いの言葉

『頭の中、心の汚れを払拭するのは、なかなか容易なことではない。特別な概念をもって清掃には念を入れて行うこと、これは一見した所、蛮俗的、且つ、非合理的に見えても大変に効果の上がる方法手段であり、究極的にはやはり、これに勝る工夫は他にないのであるから、心して念を入れなくてはいけない。偽物と真者を見分けるには清掃のときが最も良い機会となるのであり、どんなに着飾って聡明利発そうに振る舞って居てもその人の清掃能力を見れば、頭脳の程度と人間性も一目瞭然と判断できるものである。』

 

≪期待、奮起してほしい選手はいますか?≫

 メンバー全員の力は必要だし、4年生は最後のリーグ戦なので頑張ってほしいと思っていますが、特に“佐々木翼”“野村工”“大北海斗”には、上手く打線が回らない時にカバーしてほしいと思っています。

 

≪秋に向けての意気込みを!≫

 最後のリーグ戦となるので、目標はもちろん1部昇格ですが、目の前の試合を一戦一戦しっかりと勝ち点を取り、後輩が来年は神宮で試合ができるよう、最後は笑顔で引退したいと思います。

 

 

 

【主務:松尾 峻太郎(まつお しゅんたろう):4年】

出身:東京都

出身校:目白研心高校

 

 

≪マネージャー業務はどんなことをしていますか?≫

 僕は、1年生からマネージャーを務めており、チームの支えとなる為に、行事の準備や公式戦の試合運営など行っております。また、マネージャー業務を通して、多くの方たちと出会い、コミュニケーション能力が高まり、社会勉強につながってきました。

 

≪マネージャーを始めてみてどうでしたか?≫

 選手時代とは違い、接する相手が大人に変わり、敬語や接待の仕方を学ぶことができました。時間やスケジュールの管理をし、文章をパソコンに入力する機会が多いので、文章に添える言葉の書き方が一番身に付きました。来年、社会人になる僕にとっては、“身に付いたことが役に立つな”と、感じています。

 

≪春季リーグ戦はどうでしたか?≫

 初めてベンチに入る選手も多く、慌ただしい部分もありましたが、各チームから1勝はできていたので、秋につながると感じていました。

 

≪秋に向けての意気込みを!≫

 最初の二カードを落とした春季リーグ戦でした。秋季リーグ戦は、春と同じ空き週からのスタートのため、春の反省を活かして選手たちには、頑張ってもらいたいです。また、僕自身もラストシーズンとなるので、選手の支えになるように精一杯頑張ります。

 

 

【OB:石丸 周作(いしまる しゅうさく)

拓殖大学→ミニミニ城西(2011年4月入社)京王八王子店 係長

尊敬する人:内田俊雄監督

目指す人物像:内田俊雄監督

 

 

≪拓殖大学野球部だったからこそよかった。と社会人になって実感したことは何ですか?≫

 私は拓殖大学野球部で毎日の厳しい練習や規律ある生活をしてきたことで、何事も諦めずにやりぬく事の大切さを学びました。また、同級生はもちろん、先輩、後輩誰にでも真摯に向き合ってきたことで礼儀、礼節といった社会人としての基本も身に付きました。

 

 誰でも社会人になれば様々な辛いことがあります。そんな多くの壁に当たった時には、大学時代を思い出すことで困難に立ち向かい日々成長してきました。多くの仲間と過ごせた4年間は一生の財産だと実感しております。

 

≪後輩たちにエールをお願いします!≫

 厳しい練習や規律ある生活は大変ですが、それ以上に共に頑張ることができる大切な、かけがえのない仲間と出会えていることかと思います。拓殖大学での4年間は貴重であり、一生の大きな財産になります。野球部での活動はもちろん、有意義な学生生活を送り、今後の活躍に役立てて下さい。

 

 

 年々力を付けてきている拓殖大学硬式野球部。ぜひ皆様も注目して下さい。今後の益々の活躍に期待しています。

 

 取材にご協力頂きました、拓殖大学硬式野球部の内田監督、選手の皆様ありがとうございました。また、取材日程の調整などをして頂いた、松尾主務にも併せてお礼申し上げます。

 

 

【藤家主将にポーズを教えていた松原学生コーチ】

 

【集合写真撮影前の様子です。チームのムードメーカーである松原学生コーチを中心に、どんなポーズにするか話し合い中です。】

 

 

 

●拓殖大学 硬式野球部 創部は1920年(大正9年)

 東都大学野球連盟2部に所属 ※2019年7月現在

 ≪ホームページ≫

 https://takushokubbc.wixsite.com/baseball

 

●内田 俊雄(うちだ としお)

 広島県広島商業高校-亜細亜大学-三協精機 主に二塁手としてプレー

 1977年~亜細亜大学硬式野球部 コーチ就任

 1978年~亜細亜大学硬式野球部 監督就任 ※26年間監督を務める

 ・1部リーグ 優勝13回

 ・全日本大学野球選手権大会 優勝3回

 ・明治神宮野球大会 優勝2回

 ※亜細亜大学監督時代、“高津臣吾”“小池秀朗”“井端弘和”“赤星憲広”“松田宣浩”など数多くのプロ野球選手を輩出

 2006年~拓殖大学硬式野球部 監督就任

 

●主な出身者

 ・山本 良材(鷲宮製作所→元阪急ブレーブス)

 ・中尾 明生(広島東洋カープ→元南海ホークス)

 ・米倉 忠信(元読売ジャイアンツ)

 ・髙橋 建(トヨタ自動車→広島東洋カープ→ニューヨーク・メッツ→広島東洋カープ→阪神タイガース コーチ)

 ・古屋 剛(新日鐵君津→元西武ライオンズ)

 ・木村 昌広(日立製作所→オリックス・ブルーウェーブ→元中日ドラゴンズ)

 ・石橋 良太(Honda→東北楽天ゴールデンイーグルス)

 

 

≪取材後記:株式会社ミニミニ 入江 ≫

 私が現役時代、同じ東都2部リーグで切磋琢磨し、数多くの好勝負をしてきたということもあり、今回の取材はとても楽しみにしておりました。マネージャーの松尾主務とは、試合運営の際、2年間共に頑張っていた記憶がつい昨日のように思い浮かびました。

 

 皆さん、取材中は真剣な顔つきで、野球に対する想いや、春のリーグ戦での悔しさを語り、そして、4年生たちは最後のシーズンとなるので皆が口を揃えて、“1部昇格!”と熱い意気込みを語っていました。そんな真剣な取材とは裏腹に写真撮影の際は、笑顔で和気あいあいとしていて、とても雰囲気が良いチームだと感じました。いつの日か、母校と1部リーグで優勝争いすることを楽しみにしています。

 

 拓殖大学硬式野球部の益々のご活躍期待しております。

 

 

≪取材日 2019年7月14日≫

 

 

 

※情報は投稿時のものです。商品内容の変更や、地域情報等が変わる場合がございますのでご了承ください。

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